PS3がやはり10年ももつわけがなかった件

 世の中には「社長が言っているから・・・」という理由で話を鵜呑みにするタイプの、情報リテラシーや調査力に欠く者がそこそこいる。学生がサーベイについて教わるときによく引き合いに出されるのが立場ある人物のスピーチで、これはある程度立場のある人物でもスピーチで変なことを言っていることは多々あるというもの。
 Toyotaの社長の話や、「情報が情に報いるからきている」という話が有名だろうか。

  • Toyotaの場合は「kaizen」という英単語についての話だが、kaizenという日本語がToyotaのおかげで英単語化したという趣旨の話を曲解し(実際特定の辞書には追加された)、得意げにkaizenという英単語は無いんだなどとリピートしているおっさんがいたりする。「改善」という日本語にそのまま対応する英単語なら「improvement」がありこれで済む。この単語がToyotaの言うkaizenに当たらないなどと吹聴するアホもいるが全くそんなことはなく、Toyotaが勝手に言っているだけである。まぁこれはアホすぎるパターンではあるが、PS3の社長のプレゼンテーションに含まれたウソをそのまま真に受けているパターンも同じようなものだろう。一旦自分アンサーが脳内で出来てしまったら他者が紙に書かれた答えを持ってこようがなにを言おうがすんなりとは認識を変えることはない。こういうパターンにおける鉄則は、社長の言葉よりも信頼度の高い紙に書かれた答え(辞書とか)を渡して後は放っておくことだ。

 大体予想していたぐらいの時期にPS4の話が出てきた。PS3は存在しているだけで、もっているわけではない。こんなに笑える有名社長のプレゼンテーションもなかなか無い。PSVitaのプレゼンを見た時、この社長は役者だなと思った。

  • PSVitaジャイロセンサーとタッチUIで頑張っているのをみるとなんか寂しくなる。キネクトには絶対に勝てねぇ。勝てるとしたら指関節と眼球運動までモーションキャプチャーできるセンサー付きカメラでも出すぐらいしか無い。加えてモデルのモーション結果を実際の人体の動きに制約条件として反映させるワイヤードスーツ的なものがあると最高。これ・・・高精度センサーと学習サーバーと学習データがあればなんとか出来ると思うのだが。まぁ特許が絡んで不利だろうけど。

 PSが今だにPC化出来ない技術的な理由はないのかもしれない。なぜならPS3を出すときに散々半導体設計スキルを自慢していたから。しかしそれも一種のプレゼンに過ぎず、実は将来にわたってnVidiaなどと対峙出来る基盤を保持し続けられるとまでは思っていないのかもしれない。というか閉じた家庭用ゲーム機プラットフォームで独自にやりたいと純粋に思っているのかすら微妙。PC化に伴って各種ミドルウェアベンダーが協力してくれなかったら確実にコケるというパターンもある。つまり根回しの問題が一番大きいのかもしれない。