Physically Based Rendering

Physically Based Rendering: From Theory to Implementation (The Interactive 3d Technology Series)

Physically Based Rendering: From Theory to Implementation (The Interactive 3d Technology Series)

以前から知っている本ではあったのだが、レイトレーシングをシンプルに説明しているとはいい難い本(しかし書籍のネタにもなっているpbrtというライブラリの実装はシンプルなので参考にしやすい)。
なのでそれほど好きな本ではないのだが読んでみた。ちなみに上の写真のものは第一版?で、2010年に新しいのが出ている。nVidiaがOptiXSDKを出したりしてもはや自身でそういったものをチョコチョコ作る大義名分が「趣味」意外にはないのではないかと思えて仕様がないのだが、それでもやはり理論と実装の把握は必要なのである。

  • 感想
    • 説明が妙に細かい。レンダリング時にレイを投射する投影面上のピクセルを選択する方法だけ説明するのに章が割り振られているという笑ってしまう出来。正直もっと本質的なところをシンプルな事例で説明できそうなものであるが、書いてある内容自体は大事なことなのでためになる。投影面上のレイ投射ピクセル選択を説明するのにわざわざフーリエ変換の説明などをする。pbrtライブラリの実装には特につかってないような・・・。若干著者の理系的ナルシズムを感じずにはいられないのだが(・3・)
    • まぁ文脈の独特さと冗長さをうまく回避するコツさえ身につければ一般的な評価通り名著であろう。
    • pbrtライブラリにおいて変数名や関数名に使用される英単語が独特な気がする。ビューボリュームのニアクリップとファークリップ面がそれぞれ「hither」と「yon」である。レイトレでは常識・・・ではないはず。