ePubはそこまで悪いものだろうか

 出所してきた堀江貴文が、前に会見でePubの事をボロクソに言っていたのだが、堀江が言うほど機能的には悪いものではないGoogle Chrome拡張機能にあるePubリーダーなどでePubを読むと、TOC(Table of Contents、目次)からかなり快適に各章へ移動できるし、Weblio辞書拡張機能などと組み合わせることで、わからない単語の検索なども十分楽に行える。堀江は、「テキストが最強なんだ」と言っており一理あるのだが、テキストかHTMLだけでePUbのメリットを実現しても、ePubより優れていると言えるだろうか?それに、テキストベースHTMLがタブレットPCで使いやすいとはとても思えない。
 ePubと同値な機能は、古くからHTMLに備わっているアンカー機能やフレームを使って実現でき、これが今もずっと便利と言えば便利なのだが、ちゃんとしたリンク付き目次を備えた「書籍」として用意しようとすると、結局誰かが作ったものを使うか自分で作ることになる。PDFから目次付きHTMLデータに変換するソフトウェアなどは過去からあり、PDFがWeb単語検索と未だにうまく連携してくれていないことから、目次付きHTMLに変換すると検索スピードに雲泥の差が出るため欠かせない。使用するePubリーダーによって仕様が違うことで、それぞれに不満は出るかもしれないが、ChromeのReadium拡張機能などはなかなか便利でさほど文句はない。コンテンツの拡大と縮小を、ブラウザで行う感覚で行えるが、サイズを変えても自動でページを再構成してくれるため、なんの違和感もなく好きなタイミングで拡大縮小して読み進められる。
 また、ePubというフォーマットを用意しておくということは、今はあまりうまく行っていないようだが、将来的にコンテンツ保護機構に用いるデータなどを含めるといった、将来における拡張を見込むには欠かせない方針である。テキストベースのHTMLデータでも、ライセンス管理会社にオンラインで認証を行わないと、コンテンツにかけられた暗号化を復号出来ないようにするといった機構は無論考えられるが、まだこういうのって統一され、且つ十分普及しているものは無いわけで、ePubが先にやろうとしてるんだから機能面に文句を言えたものでもない。
 収監されていて、サーベイがろくに出来ていなかったことで感覚がズレるのは理解できるが、的外れな批判はいかがなものか。もしかして電子書籍覇権に自分が絡めていないものだから嫉妬している可能性も堀江だからあり得るが邪推だろうか。