Chrome Bookが多少流通しても用途は非常に限られたものになるだろう

 ChromeOSを搭載する廉価なノートPCとしてChrome Bookが注目されているが、限られた用途のユーザーにのみ一時的に用いられるであろうが、決定的なアンチウィンドウズにはなりえないだろう。以下理由。

  • LinuxなのでChromeOSである必要があまりない。無論Linuxは素晴らしい。
  • 本格的に開発リソースの必要なプロダクトはChromeOS用には対応しない(ゲーム等)。
  • こなれた上にサポートと資本力がしっかりしているMicrosoft開発環境を超えられない。
  • GUIの独自性を差別化の要素として挙げているが、Microsoftに出来ないことではない。
  • ChromeOSにいろいろ対応させるなんてサードパーティにとってもめんどくさいはず。

 ネットユーザーを増やすために廉価で出し、Googleユーザーの増大を狙えるものにはなるかもしれないが、大体のPCユーザーにとってはすでにWindowsで動作するソフトウェアが必要になるはずであり、Windowsイラネ、となるユーザ数は少ないだろう。またLinuxを既存のPCに入れれば十分という判断にも容易に到達できる。
 現時点からLinuxWindowsの間に割って入るには、全ての環境を最高峰にまで高めるために、サードパーティ等と協調して進めていく覚悟が必要であり、Win、MacLinuxに加えてChromeOSなどが増えると協調のためのコストが増大するだけなのは言うまでもなく、合理的に機能や成果物の充実だけを追求する人々にとっては中途半端なものを出してほしくないのだ。
 ChromeOSが真に主流となりうる一つのシナリオとしては、ChromeOSがLinuxであることから、Linuxで充実している開発環境、成果物並びにハードウェア等の対応をChromeOSに集中させることで非合理性を無くすことを考えられるが、この場合Linuxの文化を軽視することになり、おそらくChromeOSは他のLinuxディストロと比較して、全てのリソースにおいて固有で独占的な立場を占めうるものにはならないだろう。無論人気次第でどうなるかは断言できないが、あくまでも機能面では既存のLinuxWindowsを超えるものにはならない。
 しかし驚きなのは、ChromeOSはデュアルブートが出来ない設計になっている。本格的に他のOSを淘汰する気じゃないとこのような設計にしはしないだろう。