やっぱこうきたかSTAP細胞

 STAP細胞が最初に騒がれた時、驚きと同時に競合している人物や団体からのつぶしに遭うかもなどと陰謀論めいたことは想像したが、あまりにもしようもない論文の瑕疵で捏造とまで言われるとは想像しなかった。なぜならネイチャーに掲載されたからだ。ネイチャーに掲載するということは、相当な精査と論文の校正が行われているとみなすため(無論確実とまでは言えないが)、今回疑惑の元になったような本当にしようもない瑕疵などがあるとはさすがに思わなかった。
 しかし不思議なのは、「万能性が確認された幹細胞」があることは確認しているとのことなので、STAP細胞ではないというのであれば、それはなんだという疑問が直ちに出てくるだろう。
 海外では、確認困難なことを認めて出てきた若田教授の態度を賞賛する声などもあるが、正直第三者にはまったく事実関係がわからないので、たとえSTAP細胞論文に小保方博士の博士論文の画像が使いまわされていたからといって、賞賛も批判も出来ないだろう。また、一部報道番組などが、論文の一部剽窃について批判を展開しているが、明らかになった事に対する表現や文章は論文で似通うことがあるのは普通のことであり、そのまま用いることは珍しくなく、日本の研究者たちは「英語の論文英語」を学習してそのパターンにのっとって自分の論文を書くため、文体が似ることは当たり前である。何が言いたいかというと、批判するところが間違っているということ。その程度はわかった上で報道番組は批判を行えと言いたい。でなければ不必要に本人の名誉を傷つける。
 この件について、一番のものわらいの対象として重大な失態を犯したのは文科省かも知れない。ネイチャーに掲載されただけで、さもSTAP細胞の万能性についての確証が得られたかのような報道をマスコミを通じて行い、お祭り騒ぎをしてしまった罪は重い。文科省は科学論文に対する扱いの基本も知らないような者が集まっているのだろうか?
 過去に核関係の重大な研究で、嘘の論文が一時的にまんまと評価されてしまったケースもあるのに、そういったことも忘れてこの状態である。しかしこんなことであきらめては欲しくないので、精査と論文の校正を重ねてぜひものにしてほしい。なるかわからんが・・・